キットを利用したミニプレップを安くしたい
目的
生物系のラボでは日々、プラスミドの精製でミニプレップをしていると思います。来る日も来る日もひたすらミニプレップをしているせいで感覚が麻痺している(笑)と思いますが、結構コストがかかっています。。。
色々とプラスミド精製のコストダウン方策はありますが、今回はキットを単純に使用したプラスミドのミニプレップでのコストダウンについて記事を書こうと思います。
何も考えずにキットを使った場合
まず、有名メーカーのキットを使った場合のコストについて考えてみます。これらのメーカーは古くから存在するため、多くのラボでそのまま替わることなく使われているのではないでしょうか。品質は折り紙つきだが、高いですガ━━(;゚Д゚)━━ン!!
メーカー | キット | 定価(税抜) | 入数 | 単価 |
---|---|---|---|---|
Qiagen | QIAprep Spin Miniprep Kit | 53000円 | 250 preps | 212円 |
Promega | Wizard® Plus Minipreps DNA Purification System | 65000円 | 250 preps | 260円 |
ThermoFisher Scientific | PureLink™ Quick Plasmid Miniprep Kit | 49500円 | 250 preps | 198円 |
(2018年5月現在)
なにを隠そうワタシのミニプレップキット使用遍歴は、Promega→キアゲンでした。これらは当時の所属ラボで昔から使っていたキットで、コスト感覚に欠落していたワタシは何も考えずに言われるがままに使用していましたorz
キットで楽ちんを維持しつつコストカットの道
研究費に乏しい貧乏研究者なワタシは、コストダウンを考えるようになりました。しかし、楽ちんなキットは手放したくないと考えたワタシは、安価なキットを探すことにしました。この世の中には、貧乏研究者の味方的なメーカーが多々あります(多くは新興国のメーカーだったり、後発メーカーになります)。 ワタシのリサーチあるいは知人研究者、メーカー、代理店さんへの聴き取りをした結果、下記のキットが浮上しましたワーイヽ(゚∀゚)メ(゚∀゚)メ(゚∀゚)ノワーイ
メーカー | キット | 定価(税抜) | 入数 | 単価 |
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FAVORGEN | Plasmid DNA Extraction Mini Kit | 36000円 | 300 preps | 120円 |
日本ジェネティクス | FastGene Plasmid Mini (LB培地タブレット25個添付) | 25000円 | 300 preps | 83.3円 |
(2018年5月現在)
見て下さい!この価格差を。。。定価でこれだけの差があります。しかも、得てしてこういうメーカーは値引率がゴイスーです(笑)ワタシはFAVORGENのキットを使用していますが、プラスミドの収量・品質も有名メーカーと変わらないです。ちなみに台湾のメーカーですよ〜。
キャンペーン時に購入せよ
定価でも安いこのキットですが、キャンペーンが強烈です(笑)例年、11月ぐらいから3月末ぐらいまでキャンペーンで安売りをしています。なんと、17000円(56.7円/prep)!!!ワタシは年間使用量を過去数年分のログを目安にキャンペーン価格で仕入れています( ´∀`)bグッ!
終わりに
このように、ミニプレップの場合、キットのメーカーを変更するだけで150円/prep以上のコストカットが可能になりました。年間500 prepsだとすると、75000円以上のコストカットになりますね!浮いたお金で電動マイクロピペットを買うとか実験の省エネ化・時短などのために投資出来るようになります。
研究費もマンパワーもないけど、なんとか実験して論文を出していきたいですね。