核酸の電気泳動に欠かせないGel loading bufferを自作してみる
目的
生物系のラボでは日々、核酸の電気泳動をしていると思います。この際に必要となる試薬の1つが、Gel loading bufferです。前回の記事では、様々なメーカーのGel loading bufferの価格を比較しました。
遺伝子工学に欠かせないGel loading bufferのコストダウンについて考える - 研究費が無い
Gel loading bufferは買っても安いのですが、自作するともっと安いです(笑)。今回は、Gel loading bufferの自作によるコストダウンについて記事を書こうと思います。Gel loading bufferのレシピは多く存在しますが、その中でも作成が楽ちんなレシピを紹介します。
6 x Gel loading bufferを自作してみる
研究費に乏しい貧乏研究者なワタシは、コストダウンを考えた結果、自作の道を選びました(笑)。それでは、作製してみます。
試薬 | 加える量 | メーカー | カタログ番号 | コスト |
---|---|---|---|---|
ミリQ | 4 ml | 自前 | ー | ? |
Orange G | 30 mg | 東京化成 | O0093 | 3.24円 |
グリセロール | 6 ml | 関東化学 | 17029-00 | 21.6円 |
はい。10 mlで25円ぐらいで出来ました(笑)。レシピを色々と見てみると、グリセロールよりもFicollを使ったほうがバンドがシュッとするとか、EDTA入れた方がサンプルの安定性が増すとか、酵素反応を止められるとか。。。SDS入れると酵素が核酸から離れてバンドがシュッとするとかありますが、クソ食らえです(笑)。安さ重視です!!!
やっすいニッポンジーンのGel loading bufferで3 ml、2400円(キャンペーン時)だったので、この自作品は10 mlで25円程度ということで、ざっくり1/320ぐらいのコストですね。ホクホクです。私は2 mlずつチューブに分注して、使用中のものは室温、保存用のは冷凍庫に入れています。なんの問題も起きたことがありません。
終わりに
近年では、Dye入りのマスターミックスでPCRをかけることが多いので、Gel loading buffer自体の使用機会が減ってきているのは間違いないと思います。しかしながら、このようにGel loading bufferを適当に自作することによってコストが1/320以下になりました。使用量にもよりますが、結構なコストカットになるのではないでしょうか!
研究費もマンパワーもないけど、なんとか実験して論文を出していきたいですね。
参考
Agarose gel loading buffer - OpenWetWare
Gel-Loading Buffer for Agarose Gels (10×)
Barrick Lab :: ProtocolsReagentRecipes
https://www.researchgate.net/post/What_is_your_easiest_loading_buffer_recipe