実験動物購入のコストダウンについて考える

目的

 生物系のラボでは日々、実験動物を用いた実験をしていると思います。批判はありますが、動物実験は現状、少なからず必要とします。動物実験をするには当然のことながら、実験動物を購入する必要があります(自前で繁殖させている場合は除く)。これがまた、かなり高いです。しかも近年では値上げ傾向にあります。そこで今回は、実験動物購入のコストダウンについて記事を書こうと思います。ちなみにマウスのみが題材です(笑)。

購入先を考えてみた

 とりあえず、様々なメーカーが実験動物を販売しています。例えば、下記のようなメーカーがメジャーです。

  • 日本エスエルシー
  • 東京実験動物
  • 日本クレア
  • チャールズリバー

 上記のメーカーは、販売している系統も違ったりもちろんしますが、一般的な近郊系なら購入可能なところが多いです。価格的には、東京実験動物>日本エスエルシー>>>クレア、チャールズリバーという感じでしょうか。ワタシは、クローズドコロニーは東京実験動物、近郊系は日本エスエルシーを第一選択にしています。ちなみに、価格交渉に応じてくれるところはありませんでした(笑)。

どうにか安く済ませたい!

 これらの実験動物は大変高額であります。ICRなどクローズドコロニーは500円程度、近郊系は1500〜2000円程度はします。なんとかならないだろうかと頭を悩ませていましたが、あるとき閃きました。何に着目したかというと、実験動物を購入するとadditionalにマウスが付くところです。ワタシは昔からオマケと称していますが、10数匹購入すると1匹程度付いてくる感じです。これはメーカーや所属機関によっても違うかもしれませんが、これを利用することを思いつきました。
 例えば、日本エスエルシーの場合、11匹購入すると1匹付いてくるパターンですが、30匹購入しても1匹という感じで1箱あたり1匹なのです。昔はもう少し付いてきた気がしますが、近年では余裕が無いのかもしれません。

 これを利用して、

  • 12匹必要な場合は11匹注文

  • 24匹必要な場合は、伝票を別々にして11匹×2発注

  • 30匹必要な場合は、伝票を別々にして14匹×2発注

するという風に発注します。

 ワタシはこの作戦を閃いたときに小躍りしました。自分を産まれて初めて天才かもと思いました(笑)。コスト削減も出来ますし、動物愛護上も良いでしょう。ただし、発注がめんどくさいです。何度か、SLCに11匹毎に1匹付けてくれと頼んでいますが実現していません。発注件数が多くなってお互いに手間だと思うのですが。。。

終わりに

 このように、実験動物の購入数を1割弱減らすことが出来ました。1匹あたり1500円程度はしますので、これは大きいですね。年間で数万円〜数十万円浮くんじゃ無いでしょうか。浮いたお金で試薬が買いたい放題ですね!

研究費もマンパワーもないけど、なんとか実験して論文を出していきたいですね。