核酸実験に欠かせないアガロースのコストダウンについて考える

目的

 生物系のラボでは日々、アガロースゲル電気泳動をしていると思います。半定量PCR、コロニーPCR核酸のゲル抽出などなど幅広い用途でアガロースが必要になってきます。
 ところが多くの人は、アガロース自体に拘りがあるわけではなく、ラボにあるものを使用しているのではないでしょうか。しかし、アガロースは意外と高価であり、これがまた結構コストがかかっています。
 特に学生さんなどは、昔からラボで代々使用されているアガロースを使用している方が多いと思いますが、実は高い部類の製品を使用している可能性が高いです。今回は、これらアガロースを用いた実験のコストダウンについて記事を書こうと思います。

アガロースの種類と用途

 一口にアガロースといっても、様々な種類があり、用途によって使い分けが必要です(とメーカーは言っている)。例えば、タカラバイオのウェブサイトをみてみましょう。以下のようなテーブルがありますorz。

アガロース用途一覧ガイド|タカラバイオ株式会社

f:id:kanenashi_kenkyu:20180604150012j:plain  めんどくさいですね。。。はっきりいって、どうでもいいです(笑)。ワタシは、核酸電気泳動やゲル抽出などの(しょーもない)用途ですので!安いやつでいいんや〜!

様々なメーカー品のコスト

 とりあえず、様々なメーカーの安い部類に入るアガロースを探してみました。

メーカー 製品名 定価(税抜) 入数 1 gあたりの単価
CONDA AGAROSE D1 LOW EEO 21000円 100 g 210円
タカラバイオ Agarose Basic「TAKARA」 21000円 200 g 105円
ニッポンジー Agarose S 55000円 500 g 110円
日本ジェネティクス Agarose 60000円 500 g 120円
Promega Agarose, LE, Analytical Grade 84000円 500 g 168円
Amresco Agarose I 52000円 500 g 104円
同仁 Agarose-I 22800円 100 g 228円
GE Agarose NA 52600円 100 g 526円
pH Japan Agarose 1200 Standard Type 42000円 500 g 84円
Lamba Agarose 13500円 100 g 135円
理科研 STAR Agarose powder 44000円 500 g 88円

(2018年5月現在)

 探せる範囲でリスト化してみましたが、こう眺めてみると価格差がかなりありますね。昔は、100 gで3万円とかざらでしたので、最近は安くなったものです。現ラボにワタシが着任したときは、100 gで3万円以上するフナコシで買ったものを使用していました。

結局どれがいいの?

 研究費に乏しい貧乏研究者なワタシは、コストダウンを考えた結果、現在は理科研のSTAR Agarose powderの500 g入を購入して使用しています。これは、1 gあたり88円という格安の部類にあります。長年使用していますが、全く問題ないです。

キャンペーン時に購入せよ

 定価でも安いこの製品ですが、キャンペーンが強烈です(笑)例年、何度かキャンペーンで安売りをしています。なんと、1 gあたり52.8円!!!ちなみに、キャンペーンやって無くてもこの値段にしてくれるかも? f:id:kanenashi_kenkyu:20180604152758j:plain

終わりに

 このように、普段使用する試薬であるアガロースの場合、製品を変更するだけで半額以下(場合によっては1/4ほど)のコストカットが可能になりました。年間200 g使用するとした場合、10000円以上のコストカットになりますね!浮いたお金でDNAラダーが大量に買えますね。

研究費もマンパワーもないけど、なんとか実験して論文を出していきたいですね。