核酸実験に欠かせないアガロースのコストダウンについて考える
目的
生物系のラボでは日々、アガロースゲル電気泳動をしていると思います。半定量PCR、コロニーPCR、核酸のゲル抽出などなど幅広い用途でアガロースが必要になってきます。
ところが多くの人は、アガロース自体に拘りがあるわけではなく、ラボにあるものを使用しているのではないでしょうか。しかし、アガロースは意外と高価であり、これがまた結構コストがかかっています。
特に学生さんなどは、昔からラボで代々使用されているアガロースを使用している方が多いと思いますが、実は高い部類の製品を使用している可能性が高いです。今回は、これらアガロースを用いた実験のコストダウンについて記事を書こうと思います。
アガロースの種類と用途
一口にアガロースといっても、様々な種類があり、用途によって使い分けが必要です(とメーカーは言っている)。例えば、タカラバイオのウェブサイトをみてみましょう。以下のようなテーブルがありますorz。
めんどくさいですね。。。はっきりいって、どうでもいいです(笑)。ワタシは、核酸の電気泳動やゲル抽出などの(しょーもない)用途ですので!安いやつでいいんや〜!
様々なメーカー品のコスト
とりあえず、様々なメーカーの安い部類に入るアガロースを探してみました。
メーカー | 製品名 | 定価(税抜) | 入数 | 1 gあたりの単価 |
---|---|---|---|---|
CONDA | AGAROSE D1 LOW EEO | 21000円 | 100 g | 210円 |
タカラバイオ | Agarose Basic「TAKARA」 | 21000円 | 200 g | 105円 |
ニッポンジーン | Agarose S | 55000円 | 500 g | 110円 |
日本ジェネティクス | Agarose | 60000円 | 500 g | 120円 |
Promega | Agarose, LE, Analytical Grade | 84000円 | 500 g | 168円 |
Amresco | Agarose I | 52000円 | 500 g | 104円 |
同仁 | Agarose-I | 22800円 | 100 g | 228円 |
GE | Agarose NA | 52600円 | 100 g | 526円 |
pH Japan | Agarose 1200 Standard Type | 42000円 | 500 g | 84円 |
Lamba | Agarose | 13500円 | 100 g | 135円 |
理科研 | STAR Agarose powder | 44000円 | 500 g | 88円 |
(2018年5月現在)
探せる範囲でリスト化してみましたが、こう眺めてみると価格差がかなりありますね。昔は、100 gで3万円とかざらでしたので、最近は安くなったものです。現ラボにワタシが着任したときは、100 gで3万円以上するフナコシで買ったものを使用していました。
結局どれがいいの?
研究費に乏しい貧乏研究者なワタシは、コストダウンを考えた結果、現在は理科研のSTAR Agarose powderの500 g入を購入して使用しています。これは、1 gあたり88円という格安の部類にあります。長年使用していますが、全く問題ないです。
キャンペーン時に購入せよ
定価でも安いこの製品ですが、キャンペーンが強烈です(笑)例年、何度かキャンペーンで安売りをしています。なんと、1 gあたり52.8円!!!ちなみに、キャンペーンやって無くてもこの値段にしてくれるかも?
終わりに
このように、普段使用する試薬であるアガロースの場合、製品を変更するだけで半額以下(場合によっては1/4ほど)のコストカットが可能になりました。年間200 g使用するとした場合、10000円以上のコストカットになりますね!浮いたお金でDNAラダーが大量に買えますね。
研究費もマンパワーもないけど、なんとか実験して論文を出していきたいですね。